舞台の女神さま!
作者石橋崇行
ジャンル恋愛
舞台の女神さま!
「あ・ず・さ」
ボクの耳元で生暖かい吐息を吐きかけながらやさしく呟く声。すると声の主はボクのうなじをゆっくりなぞるように舐めると冷たさと生暖かさを感じた。
とっさに振り向くボク
「な…… 何をするんですか茜先輩」
笑みを浮かべて立つのは上目遣いの笑顔を見せながら自慢の長い青色の髪の美人生徒会長でもある2年の城(じょう)ケ崎(がさき)茜(あかね)先輩だ。
「うふふふ。梓ちゃんの困った顔。素敵よ。その辺のイケメンよりもドキドキしちゃうわ」
「そんな…… あまりボクのことを見ないでください」
「うふふじゃあ誰もいないことだし。キスしようか? キ・ス」
茜先輩はニコッと微笑むと慣れた手つきでボクの背中に手をまわすと、ボク生暖かい吐息を感じながら舌が絡み合う。
「う~ん。梓ちゃん。好きよ」
「う、うう先輩…… 」
くちゃくちゃ
ボクはさっきまでの緊張感が一気に吹き飛んだ。だがボクの心は複雑だった。確かにボクは女子にときめく。先輩との行為とスリルにはドキドキするし快感だ。でも何かが違う…… こんなんじゃない! 初恋だった春香先生へ抱いた時の気持ちと違う…… キスはミントの味で爽やかだけど気分は違った。
……なのに拒否できずにいつも受け入れる自分が居た。それにはある理由があるんだ。
周りを気にせず少し長いディープキスを終え、お互い暖かい息が鼻の頭に当たるくらいの至近距離で見つめ合うと