愛しているから
作者福子
ジャンル恋愛
愛しているから
誠君は、見た目は普通だ。 どこも悪いところは見当たらない。 先生からの説明があってから1週間後、私は誠君を退院させて2人のアパートまで連れてきた。 お母さんが荷物を持ってくれて、私は誠君の手を引いて帰って来た。
「ただいま!ほら、誠君、おうちに帰って来たよ」
「おうち?」
「そう、ここで仲良く暮らしましょう、ね。あ、ほら、靴はここで脱いで」
部屋に上がると、誠君はゆっくりと何かを確かめるように歩いている。
「浩美、病院にあった荷物はこれだけだから、置いておくわね。それから、食材を買いに行ってくるけど…2人で大丈夫?」
「うん、大丈夫だから。お願いします」
お母さんは冷蔵庫の中身を確認すると、買ってくるもののリストを書いていた。
「じゃ、行ってくるから」
「はい」