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いつまでも君のもの
私たちは20分近く車を走らせていたが、どちらも一言も発しなかった。 車内に聞こえる音といえば、絶えず漏れる私のため息か、フロントガラスから入り込む風の音くらいだった。 他の車も数台しかいないような道路だったので、沈黙は耳に痛いほどだった。
「ラジオをつけてもいい?」
圧倒的な沈黙を破る最初の質問を私が発した。
彼は眉をひそめて私を見たが、質問には答えずに また進行方向へ目を向けた。
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