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チャプター 7
忘れさせて (パート3)
文字数:1130    |    更新日時: 24/11/2021

車は長く曲がりくねった道を通り抜け、黒い鉄製の巨大な門の前で止まった。リアムが鍵付きの小さなリモコンボタンを押すと、門はあくびするかのように大きく開いた。

エデンは、車道に並んだ灯りに照らされた、丘の上に建つモダンな建物に目を奪われた。 白を基調とした建物は、優美でクラシカルながら、シンプルな外観を持ち、まるで建築雑誌から抜け出してきたかのようだった。

清潔感のある白と黒の制服姿の執事と使用人が、二人を出迎えた。

「アンダーソンさん、お夕食になさいますか?」

リアムは手を振り、 「今夜はもう休んでいいよ、デイブ。 ご苦労様」

正面玄関が閉まるとすぐに、リアムはエデンに近づいた。

今回彼のキスは自由奔放で、より切実だった。 彼は彼女を抱き上げ、その足を自分の腰に絡ませ、ガラスの階段を上がった。そして、長い廊下を通り、雪のように白く、シルクのように滑らかなシーツが敷かれた広大なベッドの上に彼女を下ろした。

「まだ忘れたい?」 リアムは、彼女の首筋に軽いキスをして、ゆっくりと服を脱がせながら囁いた。

「ええ」、エデンはぎこちなく彼の服を脱がしながら、熱っぽくつぶやいた。 この六週間のことは忘れ、心の氷を溶かしたかった。

リアムは何時間もかけて、心の氷を溶かしてくれた。 手で忘れさせ、舌で泣かせ、体で抱きしめ震えさせた。

もしクラブでの軽い知り合いではなく、もっと普通の形で出会っていれば、もし彼が自分の失恋している時に出会った男でなければ、そして今夜が彼の自由だった最後の一夜でなければ、二人の燃えるような出会いは、完璧だったのに。

二人は汗に濡れ、喘ぎながら抱き合った。しばらくして、リアムが訊いた。 「忘れられたか?」

「ええ」彼女はそう呟くと、彼の胸の中で涙をこぼした。 レンタル彼氏というものがあればいいのに。 そうしたら、いつも彼を注文できたのに、と思った。

彼はエデンの上に身を乗り出し、優しくキスをしながら、今度はもっと物憂げに彼女を抱いた。 その大胆で燃えるような愛撫に、世界が粉々に砕け散っていくような気がした。

「ああ、君は美しい。愛しい人よ」リアムはそう唸り、彼女の中で身を震わせた。

エデンは彼の胸の中にきつく抱かれ、ハリケーンのように巨大な快楽の波に溺れたが、後には虚しさしか残らなかった。

「大丈夫?」 そう訊くと、エデンの額にキスをして、また腕の中におさめた。

震えが止まるのに時間がかかった。 リアムはエデンを抱きしめ、腕の中で心ゆくまで泣かせ、彼女は泣き止むと、彼を見上げた。

「もう平気よ」とエデンは嘘をついた。

このままでは、決して大丈夫ではないのに。

リアムはもうすぐ結婚するのだ。 やっと彼女の体を虜にできたというのに。

そして、彼女の傷つきやすい心をも虜にできたというのに。

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