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チャプター 8
昨夜と同じ服で (パート1)
文字数:1350    |    更新日時: 24/11/2021

エデンは、ふらつき、混乱した状態で目が覚めた。

起き上がり座った途端、こめかみを突き刺すような激しい痛みを感じ、昨日のしたことを後悔した。

そして振り返り、全裸のリアムが横に寝ているのを見ると、また欲望が火花のように湧き出て来た。 こんな力の抜けた状態でも彼はまだとても素敵で、そうすべきではないとわかっていても、まだ彼のことが欲しく、必要で、切望していた。

昨夜のこと、二人がしたことを考えただけで、彼女は息もつけなくなった。

彼女は両腕を思い切り上げて体を伸ばし、静かにあくびをしたが、体を少し動かしただけで体の節々が痛むのに驚き、思ってもいなかったあの場所はかろうじて無事だったが、 心地よくうっとりと感じるのと同じほど、彼女はリアムが起き出す前にそこを急いで出なければならなかった。 彼女がどうしても避けたかったのは、もうすぐ結婚するが、彼女自身より彼女の体のことを知ってそうな男と、ぎこちない会話をすることだった。

サイドテーブルに自分の携帯と眼鏡が置かれているのを見て、軽く感謝の祈りを捧げると、 それを引っ掴んでベッドから飛び出し、足がマットウッドの床に着くなり揺れ動くような部屋に苦戦した。

彼女は目を閉じ、十から逆に数を数えてから目を開けると、 床はもう揺れ動いているように見えず、目眩もさっきよりは良くなっていた。

エデンはそのとてつもなく大きな部屋を見回し、苛立ちでため息を漏らしながらも自分の服を見つけようと必死になったが、 しかし彼女のドレスが不思議にも姿を消し、 下着も消えてなくなっていることが、解決しようにも時間がないもう一つの謎だった。

仕方なく彼女はリアムのデニムシャツを床から拾い上げて身に着け、 いずれこのシャツのことは彼にバレてしまうだろうと覚悟していながら、携帯とスチレットヒールを手に持ち、部屋から逃げ出した。

彼女のトレンチコートは階段の下にぶざまに投げ出されており、 おかしなことに、彼女はリアムがそれを脱がせたことを覚えていなかった。

でも、彼はそうしたに違いない。 なぜなら彼女の残りの服もそこにあったからだ。 彼女は彼が自分にしたそれぞれのキスや感触、そして渇きも含めたどんな些細な記憶も振り絞っていた。

「集中するのよ!」 彼女は雑念を捨てるように頭を振り、ヒールを履いた。 昨夜と同じくらいスリルがあったが、もう終わったことだ。 リアムのことは忘れた方がいい。

しかし玄関先で、業務報告をしている執事と家政婦たちに出くわしたエデンは 知らない人間と軽く話をしなければいけないという状況に直面させられた。 知らない人との付き合いは日頃から苦労していることだが、今日はとても無理だと思った。 堂々としていたいため、彼女はこの二十四年間有頂天にならずに、簡単に男と寝ることから遠ざかっていた。

「スティーブンがあなたをお送りいたします。ミス…?」 デイブが愛想よく言った。

「大丈夫です。タクシーを呼びますから」エデンは彼の丁寧さを最初から無視し、彼の申し出を頭を振って断った。

「ここには来られませんわ」と家政婦の一人が忍耐強く説明した。

「そうね…」とエデンはつぶやいた。 ここは私有地だ。 ここの住民が、安全対策のために警備を通さなければ、有無を言わさず誰も通さないのだ。 ヒルズのルールは他とはとても違っていた。

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