新しい始まり
作者Val Sims
ジャンル恋愛
新しい始まり
アーツディストリクトとして、ロックキャッスルのこちら側にはギャラリーや、流行りのカフェ、それにルーフトップガーデンが沢山あった。 詩のリサイタルから展示会、プライベートな料理体験まで、芸術的でインディーたちの心をくすぐるようなものは全て揃っている。
エデンは列を進みながら、チョコレートクロワッサンが口の中で溶けていく感触を感じていた。
誰に言われたのか覚えてないが、彼女たちはみな芸術的なことに熱中し、それに加え首席で卒業していたので、当時はフォレストクリークに住み着くことは当然のことであり、 彼女たちはみな、それぞれのキャリアで成功することを夢見ていたが、 三年経った今でも、まだ成功することを待ち望んでいたのだ。
彼女はまだ児童書のイラストレーターとして大儲けできていない。
リディアの女優になる夢こそまだ叶えていないが、ネットにあげた動画はすでに彼女に脚光を浴びさせたので、 なかなかのものだった。
シエナがこれまでに書いた唯一のコラムは、フォレストクリークタイムズという無料コミュニティ新聞のものだった。
パティシエとしてカサンドラは、まだ料理の世界を真っ向から変えるようなデザートレシピを考え出そうとしていた。