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燃え盛るテントの中で, 婚約者の晴斗は私と目が合った.
助けを求める私に背を向け, 彼は浮気相手の女を抱きかかえた.
「ごめん, 凛花が怖がってるんだ! 」
そう言い残し, 彼は私を炎の中に置き去りにした.
私の「神の鼻」と呼ばれる調香の才能で会社を大きくしたのに, 彼は私をあっさりと見捨てたのだ.
奇跡的に一命を取り留めた私を見て, 彼は安堵していた.
私が死ねば, 自分の悪事が露見するからだ.
彼は私がショックで記憶喪失になったと信じ込んでいる.
いいえ, 私は全部覚えている.
彼が私を殺そうとしたことも, あの女と嘲笑っていたことも.
私は虚ろな目を装い, 彼の最大のライバルの名前を口にした.
「あなたは誰? 私の恋人は, 古沢幸佑さんだけよ」
さあ, 地獄を見せてあげる.
第1章
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