神になる
作者崔 彰寛
ジャンルファンタジー
神になる
考えれば考えるほど、秘密兵器を使うことこそがゼンを倒す唯一の方法であると確信するようになったので、 遂にアンドリューはポケットから 鳴子くらいの大きさの小さな箱を取り出し、 そしてきらびやかに彫刻された箱の前面をゼンに向け、 「地獄に落ちろ!」と、わめきながら 箱の後ろにある引き金を引いた。
アンドリューがその小さな箱を取り出したのを見て、ゼンはギョッとした。 ルオ家の跡取りであった彼は、その箱が何であるのか知っていたからだ。
呪術の符が記されたその箱は、ルオ家が誇る最強の防御兵器の1つである雷戟符であった。 雷戟符の中には強力な雷が封印されており、 その奇襲攻撃で敵を瞬時に殺すことができるという。
しかしそれはたった一回のみ使用できる消耗品であった。 とても高価なもので、 自己防衛のためにルオ家の若い世代に贈られていた。
「陰険で悪質なこの男は、破れかぶれで汚い手を使って攻撃してきやがる」 と、ゼンは思った。 いくら彼の体が頑丈でも、ひとたび雷戟符の攻撃を食らったら、死は免れないだろう。