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第12章俺のことが好き?
文字数:3939    |    更新日時:09/04/2021

Sシティの夜はカラフルな精彩を放ち、 柔らかく霧のかかった街灯の光が、通りの喧騒を照らしていた。 エドワードは、セクシーワールドにある彼専用の駐車スペースにスムーズに駐車し、 車から降りた。彼の長い脚はバーの外の光の中で一層際立つ。

そしてまるで周りに誰もいないかのようにバーに入って行き、 その深く青い瞳は一瞬でデュークを見つけると、 微笑みを浮かべ、彼に近付いた。

「わるい! 遅くなった」 と、まったく反省の色の見られない口調で謝った。 デュークはつられて微笑んだが、その笑顔は一瞬で消え去り、 氷のように冷たい表情に戻った。

「別にいいよ。 慣れてる」 自分から誘いをかけておきながら遅れて来るなんて。

「そんな言い方はないだろ? それじゃまるで俺が毎回遅刻してるみたいだ」 エドワードは断固として自分の非を認めない。 彼は目の前のワイングラスを手に取り、そっとスワリングさせ一口飲んだ。 キンキンに冷えた液体が喉の奥を通り、五感に沁みわたる。

「お前がいつも遅れるって言うか、他の人はいつも早く来る」とデュークはエドワードの言い分を遮るように言った。 ワインをこんなにかっこよく飲む必要があるのか? 店内の女性たちは今すぐにでもエドワードを床に押し倒して一戦交えたいというような様子で舌なめずりしていた。 そう思わせるほど彼女らの目は飢えていた。

「一晩中遅刻のお説教を言って過ごすつもり? お前には分からないかもしれないけど、俺、抜け出してくるだけで大変なんだぜ」 そしてエドワードが哀れっぽいおどけた顔で友人を見ると、 デュークは身震いした。 なんてこった! 幸いなことに、こいつは同性愛者ではなかった。さもないと、間違いなく受け身の側にされていただろう。

もしエドワードがデュークのいやらしい考えを見透かしていたなら、彼は怒ったに違いない。 デュークが何を考えていたって? 仮に自分が男色だったとしても、受け身側ではなく、攻めの側になってやる。 クソ! どうなってんだ! 彼の性的指向は極めてノーマルなはずなのに、 こんなにいやらしい想像をしてしまうとは。

「誰のせいで抜け出して来れないって?」 デュークはここぞとばかりにエドワードをからかった。

「俺の息子! おい、どう思う?あの女は長年放置された腹いせに、復讐のためにあの子を送り込んだのかな?」  幼い息子の拷問レベルの高さが頭痛の種になっていた。 もしそれを知っていたら、一人で息子を迎えに行くなどという無謀なことはしなかったであろう。

「えっ、なんで? ジャスティンってそんなに悪ガキ?」 デュークは満足げにエドワードを眺めた。 あのエドワードがこんなにも誰かに振り回されるなんて、見ていて気持ちが良かったから。

「ああ! もう、あの子はずっと一緒に来るって言ってるのよ。 あの様子じゃもう自由には出かけられない」 冗談じゃないか。 どうやって未成年者を バーに連れて行くんだってんだ。 彼はなぜジャスティンがこんなにも、どこへでも付いて来たがるのか、その理由が全く分からなかった。 大好きだから離れたくない、というわけでも無さそうなのだ。 エドワードの勘は当たっていて、彼の息子は父親を慕ってはいなかった。

恐らくそれは、インターネットや新聞で散々目にしてきた 父親に関する艶聞のせいだった。 ママに相応しい良い夫になるようにパパを訓練するために、 まずしなければいけない事は、他の女性と付き合うのを防ぐことだった。 そうでなければ、ママの入り込む隙さえも無いから。 それが小さなムー氏が 考え付いた作戦だったのだ。

「で、奥さんと何があったの?」 レン氏! そんな凍り付いたような冷たい顔で ゴシップネタのような質問をするとは!

「それが分かっていればいいんだけど…」 まじか! デュークは言葉を失った。 ムー さんよ! それは他でもないお前の妻だろう。 お前が知らなかったら、一体誰が知っているというのか?

考えに耽るエドワードの邪魔はせず、ソファにもたれかかるデュークは お酒のせいなのか、いつもより柔和な表情で、それほど冷たくは無かった。

「一体どんな女なんだと思う?」 エドワードの質問は、実は質問ではなく、自分自身への問いかけで、 デュークの答えはどうでもよかった。

「実を言うとさ、昨日まで彼女のことなんてホントどうでも良かったんだけど、突然、こんな風に現れるなんて」 手に持ったお酒をまた一口飲み、舌先に冷たさと熱さを感じた後、その未知の感情に鬱々とした。

そう、鬱々とする。 必要なんてないのに。 なぜって、エドワード・ムーは、何百万人もの女性が床を共にしたがる人物で、また全ての著名な家系の娘が理想とする夫なのだから。 そんな彼は女性に振り回されることなど決してなく、女性を喜ばせる必要もなかった。 にもかかわらず、顔さえはっきり憶えていなかった女性に心乱され、彼女のことがもっと知りたくて仕方がないという衝動にさえ駆られているのだ。 そんな自分自身に怯えた。

「で、彼女のことが気になるの?」 そう言ってデュークはグラスを回すと、 水色の液体がグラスの中で静かに渦巻いた。 そして彼は横目でエドワードをちらりと見た。 この男はついに今まで居ないものとして扱ってきた彼の「妻」と向き合うことにしたってわけか。

「よく分からない。 だから気分が悪い」 彼はグラスを掲げてデュークのグラスにチリンとぶつけ、残りのお酒をあおった。 すると突然、周りが静かになった。

「ねえ! もしかして ムーさん?」 突然なまめかしい声が沈黙を破り、考えに浸っていた男たちは揃って眉をひそめた。

「あっちへ行ってくれ!」 そう告げたのは 冷酷なデューク。 正直で潔白なライフスタイルを信条とするデュークは、その手の女性たちとのかかわりを嫌ったので、 彼女のような女性に親切に振舞うことは不可能だった。

「ムー さん」 きまり悪そうにエドワードを見たその女性は FXインターナショナルグループの人気モデルだった。 不当な扱いに気分を害したこの女性は、赤い唇を噛み悔しさを堪えていた。

「デューク、この若く美しい女性が怖がってるじゃないか!」 友人の不機嫌な顔を見て、エドワードがからかうように言った。

デュークはしれっと目をそらし、彼を無視した。 モテ男のエドワードを連れているのだから、 最初から個室に入ればよかった。

エドワードは手を振り、彼女に席を外すように促すと、 女性はしぶしぶ向きを変え、ハイヒールをカツカツ鳴らしながら怒って立ち去った。

「デューク、俺のことが好きなの?」 エドワードのふざけた声に、デュークは口に含んだばかりの年代物のワインを噴出した。 エドワードめがけて。 結果はご想像の通り。

「汚ねぇな」 エドワードは素早く逃れようとしたが、それでもかなりの量の液体を浴びていた。

「お前のせいだろ」 そう言いながらも、デュークはエドワードにペーパータオルを渡すことを忘れなかった。 これこそ自業自得と言うものだ。 デュークは少し弱っているように見えるエドワードの優位に立とうと密かに考えていたが、すぐに反撃されてしまった。

「違うの? 女と一緒のところ見たこと無いけど」 巷では、レン氏企業の社長は女嫌いで、実は同性愛者だと言われていて、 デュークがエドワードと親しくしている理由は エドワードに恋をしているから、と言われていた。 その噂によれば、 エドワードの性的指向が正常だったことを残念に思うデュークは、やがて表情を失い氷のようになってしまった。 その冷淡さは恋の代償だったと。

「ばからしい! 性的指向に問題があるのはお前の方だろ」 デュークは怒りに震えていて、彼の冷たい顔はいっそう凍り付いていった。 こいつみたいに手当たり次第女と寝なきゃ 普通じゃないってのか? なんてこったい! 冷淡なのはそんなに異常か?

「俺の性的指向に問題? お前、俺の息子を見ただろう?」 エドワードは怒りを露わにする友人に臆することなく、デュークをからかい続けた。 「そもそも俺の性的指向に問題があるわけ無いのに。 じゃなかったら、子供は出来なかっただろ?」

かわいそうな デューク! 紳士的なあなたは エドワードとやり合うには 良い人過ぎなのだから、 腹黒い奴は放っておいたほうが身のためだ。

「同性愛者には子供がいないって誰が言った?」 悔しさに歯を食いしばりながら苦し紛れにそう言った 彼の冷たい顔は興奮で火照っていた。

デュークも 邪悪な エドワードに負けてはいない。

「俺が同性愛者か疑うんなら、 場所を変えて試してみてもいいんだぜ。 そうしたら、俺の性的指向が分かるさ」 そう言いながらエドワードは威圧的な眼差しでデュークを真っ直ぐ見つめた。デュークはこんな奴には今すぐ別れを告げて、そしてもう二度と関わりたくないと思った。

「どれだけ恥知らずなんだ 俺はもう帰る。 好きにしろ!」 デュークはついに怒りを爆発させ、そう言い放つと、 椅子の後ろから上着を取り、優雅に去って行った。 あと一秒ここに居たら、エドワードの美しい顔面を殴ってしまいそうだったから。

エドワードはそのような彼を見て笑わずにはいられず、その笑顔が再び多くの注目を集めた。 彼はそれを気にする様子もなく、気ままにその場を後にした。

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1 第1章また会う日まで2 第2章父と息子3 第3章社長の愛息4 第4章役立たずの女は嫌いだ5 第5章ジャンクフード6 第6章第6章 ボスは誰?7 第7章小さなムー氏8 第8章ママからパパを盗らないで9 第9章Capítulo独立した小さな男の子10 第10章俺がこの子の父親だ11 第11章転園12 第12章俺のことが好き?13 第13章妄想癖14 第14章ママに会いたい15 第15章ここに君の居場所は無い16 第16章変人17 第17章この悪魔は誰18 第18章一緒に倒れて19 第19章恥のかかせ合い20 第20章Capítuloフルーツレスラブ21 第21章Capítulo女性を隠す22 第22章Capítuloジャスティンは熱を持っています23 第23章Capítuloあなたは奇跡です24 第24章Capítulo私たちが見る25 第25章Capítuloジャスティンは誰ですか26 第26章Capítuloエドワードの荒廃27 第27章Capítuloなぜあなたは私のお母さんが好きではないのですか28 第28章Capítulo彼は今日怒っていた29 第29章Capítuloママが泣いた30 第30章CapítuloIt'sMe、Edward31 第31章Capítulo私はあなたを気にしません32 第32章CapítuloLothario33 第33章Capítuloあなたはお互いを知っています34 第34章Capítulo教えてくれませんか35 第35章Capítulo巻き毛のペルシャ人36 第36章Capítuloあなたはどれほど貧しいですか37 第37章CapítuloはMu氏を怒らせた38 第38章Capítulo難民39 第39章Capítulo彼女は明日来る40 第40章Capítuloあなたは私に魅了されていますか41 第41章Capítulo私は彼女の夫です42 第42章Capítulo私の妻43 第43章Capítulo家に帰ろう44 第44章Capítulo私はそれを取ることができません45 第45章Capítuloキスしたら目を閉じて46 第46章Capítuloエドワード・ムー、あなたは恥知らずです47 第47章Capítuloお父さんは食べられない48 第48章Capítulo離れないでください49 第49章CapítuloSeeMeOut50 第50章Capítulo私はあなたと話している51 第51章Capítulo彼女は誰ですか52 第52章Capítulo電話に出られませんでした53 第53章Capítuloあなたは何をしていますか54 第54章Capítuloは別の車があります55 第55章Capítulo今日あなたに仕えさせてください56 第56章Capítuloあなたは何もすることがありませんか57 第57章Capítuloあなたが台無しにできない誰か58 第58章Capítuloしかし、私は彼女の夫です59 第59章CapítuloGiveMeYour Phone60 第60章Capítuloあなたは何をするつもりですか61 第61章Capítulo戻ってきたら整理します62 第62章Capítulo彼は奇妙な行動をとっています63 第63章Capítuloあなたは空の脅威に満ちています64 第64章Capítulo次回は呼吸することを忘れないでください65 第65章Capítuloミスデイジー66 第66章Capítuloあなたはドアをノックすべきだった67 第67章Capítulo最近はかなり忙しい68 第68章Capítulo今日のあなたの獲物は不運な男69 第69章Capítuloあなたは私がいなくて寂しいですか70 第70章Capítuloくそー嫉妬71 第71章私には彼氏がいると言ったCapítulo72 第72章Capítuloあなたはよくパパのオフィスに行きますか73 第73章CapítuloミスOuyangはここにあります74 第74章Capítuloねえ、あなたは再び呼吸するのを忘れました75 第75章Capítuloあなたは本当にママが好きですか76 第76章Capítuloハニー、何を食べたいですか77 第77章Capítulo私は助けることができます78 第78章Capítulo私はタイムマシンに出くわしたかもしれません79 第79章Capítuloいつ結婚しましたか80 第80章Capítuloそれはあなたが思っていることではありません81 第81章Capítuloそれはパパとルークおじさんです82 第82章Capítuloだからあなたは走ることを計画している83 第83章Capítuloなぜあなたは私を信じないのですか84 第84章Capítuloあなたは私を心配していますか85 第85章Capítulo死ぬまで私たちは離れて86 第86章Capítulo私は誰であると思われますか87 第87章Capítuloハニー、あなたは何をしていますか88 第88章Capítuloあえて彼女に触れて89 第89章Capítuloあなたは薄すぎる90 第90章Capítuloあなたはそのような悪党です91 第91章Capítuloハニー、あなたはついにここにいます92 第92章Capítuloこれは私の将来の義理の妹です93 第93章Capítulo私を義姉と呼ばないでください94 第94章Capítulo老婦人95 第95章CapítuloはMu夫人が再び酔っている96 第96章Capítulo最初にシャワーを浴びてから、寝る97 第97章CapítuloCallMeBaby98 第98章Capítuloこれは許容範囲です99 第99章Capítulo大佐を台無しにしないでください100 第100章Capítulo私は愚かだと思いますか