愛しているから
それから一週間かけて、5枚の絵を仕上げた。 A3サイズの画用紙に、ポスターカラーとクレヨンをつかって、思う通りに仕上げた。
「ヒロ!いいね、これ!うんうん、こんな絵が添えられていたらみんな買いたくなるよ」
「ホント?」
「うん、早速、持って行ってみようよ。店長に剛士が話を通してくれてるはずだから」
誠君は、絵をクルクルと丸めると私の手を取った。
「さ、行こうか?」
「うん」
この温かい優しい手は、私を希望へと導いてくれる、そんな気がする。 ずっと暗いトンネルだったところから、やっと霧がかかった昼間のような所へ出てきて、これから先は、晴れ渡る空の下が待っているような予感がする。
_____でも、それは誠君がいないと叶わない