「ねえ松本さん。良かったら今度の日曜日に公演を観に来ない? 」
誘い(デート)は彗星の様に突然やってきた。大好きだった春香先生から言われた一言で小学4年のボクの人生が大きく変化した。
担任の春香先生はボクに笑顔で優しく手を差し伸べてきた。
開演当日
ボクは不安な気持ちを抑えて一人で席に座って待っていると暗闇の中、ゆっくりと緞帳が上がり照明が灯るとそこは感動の異世界だった。
初めて誘われた演劇にボクの心は奪われていた。スポットライトに照らされて光り輝く舞台上で幸せに満ち溢れた笑顔で華麗に演技をする先生はまさに「舞台(ステージ)の女神さま」だった。
「ボクがこんなに胸を躍らせながら釘付けになる気持ちは初めてだ……」