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第4章新事実
文字数:3249    |    更新日時:10/04/2021

「この奇妙な渦巻きが当たったら間違いなく死ぬ!」そうロッキーは思ったが、 壁に投げ飛ばされたばかりだったので、体をコントロールすることができなかった。 この攻撃をかわすことはもちろんのこと、ほとんど足を動かすこともできなかったので、 渦巻きが真っ直ぐ向かってくるのを見るのが精一杯で、指を動かして止めることもまったくできなかった。

その渦巻き光は一瞬でロッキーまで届いたが、その一瞬は彼には一生のように感じられた。 もはや絶望し、目を閉じ、死を受け入れる覚悟をした。

その瞬間、金色の光が横から発射され、ロッキーの前で花火のように広がったかと思うと、 光の盾に姿を変え、渦巻きの攻撃をそらした。

ドカーン! そらされた螺旋状の渦巻きは、ロッキーのそばのどこかにぶつかったかと思うと、固い石の壁に巨大な穴を作り、その破片は四方に散らばった。

「なんてこった! もし僕に当たっていたら、僕は跡形もなく消えていただろう!」 ロッキーはショックのあまり独り言を言った。 それから金色の光が放たれた方向に目をやると、レナが足早に彼に向かって歩いてくるのが見えた。 僕の命を救ったのはどうやら彼女のようだった。

少年はレナを見ると険しい表情になったが、 落ち着きを取り戻そうと、次のような報告をした。「殿下、この男が王宮内をうろついていましたので、それを止めるべく行動しました。 ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」

「そうかしら? バジルは病気になってからわずか数日しか経ってないのに、彼だとわからないの? シャーリー、あなたの無知さ加減にはぞっとするわ。 もしかしたら、あなたはその任務にふさわしくないかもしれないわね」とレナは冷たく微笑んだ後、ロッキーを心配そうに見つめた。

「ああ、そうですか。 なんか見覚えがあると思ったら、 バジル王子だったのですか!」 シャーリーはできる限り驚いて見せたが演技であることは明らかだった。

「シャーリー? 彼女は本当に女性なの? あなたと違って、彼女は男の子のように見えるけど! 歳も同じくらいなのに、 どうしてそんなに見た目が違うの?」 ロッキーは驚いてそう叫ぶと、その声にみんなが驚いた。

「あなたは... 何って言ったの?」 シャーリー・シメンは歯を食いしばり、細かく切り刻むかのような厳しい表情でロッキーをにらんだ。

「バジル... ...」 レナは不機嫌そうにロッキーを見た。 彼女がシャーリーに関することでそのような言葉を聞いたのはこれが初めてだった。 事実ではあったが、面と向かって言うのは、人を傷つけ、無教養なことだった。

レナの後ろのメイドでさえ、笑わずにはいられなかった。

「何? 僕は本当のことを言ってるだけだよ。 シャーリーのような男か女か見た目からわからない男は悲劇的だからね」とロッキーは言った。

シャーリーの怒りは爆発寸前だった。 恥ずかしめを受けた彼女はロッキーを切り刻みたい衝動にかられた。 しかしレナがいる限り、そのような怒りは抑えなければならなかったので、その感情を押し殺し、単純な憎しみに変えて彼をにらんだ。 「バジル、私の言葉を覚えておいて。 いつかやり返すわよ」 そして彼女は空飛ぶ生物に飛び乗ると、飛んで行った。

「もう、僕が誰なのかわかっただろう!」 ロッキーはシャーリーが恥ずかしめを受けて去ったのを見て大いに満足したのかニヤリと笑った。

しかし、彼の耳に突然激痛が走った。誰かに強い力でつままれたのだ。 振り返ると、レナが軽蔑して彼をにらんでいた。 「バジル! いつからそんなに失礼なことを言うようになったの? まったく教養が感じられないわ! あなたが今言ったことは決して正当化されることはないわ。 人の外見を侮辱することは、性格が悪い証拠よ。 彼女は一応女性だから、 あなたの言葉で彼女の心は傷ついたのよ」

「なんで僕を責めたのか? 先に問題を起こしたのは彼女だったのに。 ああ! やめてくれ! 僕はまだ病気なのに、僕を傷つけるの?」 レナがかなり怒っているのを見て、患者としてのカードを使えばこの状況から抜け出せるかもしれないとロッキーは思ったのだ。

予想通り、レナはこの言葉を聞くと、つまんでいた彼の耳を離し、メイドたちに次のような指示を出した。 「もう下がりなさい。そして司祭長が薬を送ってきたら、すぐにここに持ってきなさい」

メイドたちは頭を下げ、その辺りを片付け、ロッキーはレナに従い王室の寝室に戻った。

彼らが寝室に入った後、レナはロッキーの方を向いて「バジル、本当に何も覚えていないの?」と尋ねた。

「全く覚えていない」 ロッキーは首を横に振って、深く苦しんでいるように振る舞った。

「それじゃあ、あなたの記憶を私が再入力してみるわ。 あなたの名前はバジル・ロン。聖ドラゴン帝国35代目皇帝の息子。だからあなたは王子なの」

「なるほど」 ロッキーは関心無さそうに返事をしたが、王子としての贅沢な暮らしぶりを想像しないわけにはいかなかった。 「こいつが王子だったのだ。僕は本当にツイてるな! 無駄に死んでいなくてよかった」 それから彼はレナの方を見てまた思った。 「彼女とこのバジルというヤツはかなり親密な関係みたいだけど、 恋人だろうか。 王子であることは本当にいいな。こんな美しいガールフレンドがいるなんて! だが、二人がどういう段階まで進むのかわからない。 まあ、どうでもいい。 同じベッドで目が覚めたくらいなんだから、 かなり親密なはずだけど」

そう思うと、ロッキーは微笑みながら、レナに近づき、彼女の香りを嗅いだ。 「あなたは?」 と尋ねた。

「私はレナ・ロン。聖ドラゴン帝国の19代目の巫女。 そして私もあなたの...」 レナはしなやか指をロッキーに向けながら言った。

「ガールフレンド?」 ロッキーは期待を込めて、そう言った。

レナは一瞬固まり、赤くなった。 「バカなことは言わないで。 あなたは私にとって兄弟のようなものなの! あなたのお母さんの母乳を飲んで私は育ったから、 私たちは一緒に育てられたようなものよ」

「だから僕たちはお互いをよく知っているんだね。 じゃあ、君は僕の恋人になる可能性もあるね」とロッキーは真剣に言った。

レナはさらに赤くなったが、 困惑して彼を見つめた。 彼が記憶を失っているから仕方ないと考えて、あえて何も言わなかった。

「ああ、胸の小さいあの女の人なんだけど、 彼女、よくあんな風に僕に話せるね。 僕が王子なのを知らないの? それに、彼女は一体誰なの?」 ロッキーは興味津々そうに尋ねた。

「シャーリーのこと? 彼女はシメン氏族のブライアントの娘よ。 彼らの一族は、聖ドラゴン帝国で最も影響力のある貴族で、 氏族のリーダーのブライアントは、聖ドラゴン帝国全体で最強のスピリットマニピュレータでもあったの。 彼はまた帝国の三大将軍の一人で、地位は高くて、上には皇帝しかいないの」とレナは説明した。

「彼女があんな風に傲慢だったのも不思議ではないんだね。 良家の生まれだから仕方ないか」とロッキーは少し軽蔑して言った。

「何を言ってるの? もし私がいなかったら、あなたは彼女に致命傷を負わされていたのよ。 その一族の10人に9人はスピリットマニピュレータで、ほぼ全員がスピリチュアルメソッドの使い方を知ってるの。 彼らは所謂超人ね。 特にシャーリーは。 彼女は一族の中でバートに次ぐ優秀なスピリットマニピュレータと言われているの。 通常、18歳になるまでにスピリットマニピュレータにならなければならなくて、 18歳を過ぎてスピリットマニピュレータになれる可能性はほんのわずか。 シャーリーはドラゴンスピリチュアルパワーを習得して、11歳で王室のスピリットマニピュレータになったの。 あなたはもちろんだけど、同世代のスピリットマニピュレータのほとんどは彼女にかなわないの。 だから、彼女の傲慢な理由は一族の威光だけではないわ」とレナは厳かに言い、ロッキーをじっと見つめた。 彼女は彼の今の話し方に不満を持っているからだ。

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