甘やかされた女
作者後迫 昭芳
ジャンル恋愛
甘やかされた女
エミリーは、体を木片のように固くしていた。 そのあざに置かれたヤコブの手の感触が彼女を不安にさせた。 あまりの恥ずかしさでエミリーの顔が熱くなった。 彼女は必死にうなずき、「はい… わかりました… 何でも聞くから… お願いですからやめてください…」
こ、こんなの恥ずかしいわ!
ヤコブは良心の呵責を感じたようで、 彼女のシャツを放した。 「今回は良い子だったね。 だから今日はお仕置きは無しにする」
「やっぱり! この人は間違いなく変態だわ!」
エミリーの心は苦悩のせいで叫んでいた。 突然、彼女は不安になった。昨日のトラウマをもう二度と体験したくはないのだ。
「この人、自分を何様だと思っているの?! もうこれ以上我慢できないわ! どうして彼の言いなりにならきゃいけないのよ!」
しかし弱気なエミリーは、あえてそんなことを大声で言ったりはしなかった。 ただおとなしくて何でも彼の言うことを聞くしかなかった。 「ねえ、ヤコブおじさん、ちょっと離してくれませんか? 逃げないって約束しますから、 一緒に話し合いましょうよ」
「だめだ」 ヤコブは迷いなくそれを却下した。