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第2章最も大切なもの
文字数:3046    |    更新日時:08/04/2021

ローラは必死に努めたが、セックスの痕跡を体から洗い流すことができなかった。 怒りと悔しさで、目が赤くなった。 マイクにさえも許さなかった何よりも大切な処女を、知らない間になくしたなんて! しかも、その男は避妊具を使わなかったかもしれない。

「ローラ、あなたはもう2歳の子供じゃない。 もう22歳。 なのにこの体たらく! なんてひどい有様」

マイクにどう説明するの? 私が一晩外泊したことを、パパにはどう言い訳すればいいのかな… 執事に預けたハンドバッグも見つからないから、誰にも連絡できない。 最悪だわ! 急いで体を洗い、できるだけ早くここを去りたい、それだけを思った。

入浴が終わると気分がスッキリしたローラはタオルを体に巻きつけて、バスルームのドアを開け、髪をすばやく乾かして、その男が用意した服を着てホテルを出た。

数分後に、男が戻ってくると、部屋はもぬけの殻だった。

ベッド脇のテーブルに置いた箱が開いているのを見て、彼女が去ったことが分かった。 男は周りを見回してみると、テーブルの上に紙があるのに気付いた。「こんにちは。 エスコートさん。 昨夜のことは単なる誤解だよ。 職業倫理に基づいて、次に私に会っても、知らないふりをしてね。 まあ実際、もう会いたくないわ。 それと、昨晩のサービス料として、250ドルお支払いするわ。 また会うチャンスがあったら、250ドルを請求してね。 じゃあ!」

エスコート? 250ドル? 男娼扱いか? ハリーはそこで初めて怒りがこみ上げてきた。 紙を握りつぶし、部屋の外のソファーに目を向けた。 白いソファについた蝋梅のような血痕が、初夜だったことを物語っていた。

だが、彼女はもういない。 これは自分の気を引くための策略なのか?

照りつける太陽が、ローラを不快させた。 路上でタクシーに乗り込むと、運転手の電話を借り、ゾーイ・ルーに連絡した。

ゾーイはローラの親友で、24歳の国際レース優勝者だ。 2人を結びつけたのもレーシングカーだ。

本当はマイクを頼りたかった。 でも処女を失った彼女は、どういう顔をして彼と会えばいいか、見当もつかなった。

「もしもし」 ゾーイが電話に出たが、いつものような気軽な声ではない。

「ワタシよ! あなたのローラ姉さん! どうしちゃったの?」 ローラのほうが年下だが、ゾーイに姉さんと呼ばせた。 見知らぬ番号からの電話で、一瞬事態を飲み込めなかった彼だか、すぐに「ローラ?」と尋ねた。

「そう、ワタシ! 緊急事態なの。 ハンドバッグを失くした。 そっちに向かってるわ。 後でタクシー代を払ってくれね」

「タクシー代? 今どこにいるの?」 ローラはまだ今日のことを知らないようだ。

「今日、なんだか声が変ね。 10分で到着するわ。 道端で待ってて。 後で詳しく説明するわ」

電話を切るとタクシーの運転手に礼を言い、目的地を伝えたのちローラはシートに体を預けて目を瞑った。

運転手がラジオをつける。 「… 社長が解任されました。 持ち株はすべて、2か月前に譲渡されています。 彼の輝かしいキャリアは、これで終わったのです。 レポーターも間もなく到着です。 チャンネルはそのままで。 では後ほど。」

昨夜の出来事で頭がいっぱいだったローラは、 ラジオから流れるニュースにまったく気付いていない。

数分後、タクシーが停車した。 赤い短髪のゾーイは、電話を切るとまだ家にいるガールフレンドを急いで送り出し、一人で階下に降りた。 ゾーイはタクシー代を支払いながら、ローラの表情を注意深く観察した。だが、少し疲れた表情が見て取れただけだった。

ローラがまだニュースを知らないのは明らかだった。 「昨夜、家に帰らなかった?」

「なぜわかったの?!」 ローラの過剰反応はゾーイを驚かせた。そんなことを聞いたゾーイが何かを知っているのではないかと、ローラは心配していた。

「家に帰らなかったよね?」 ゾーイはローラの手を握り、エレベーターに急いだ。 今日のゾーイはどこか変だと思っているローラは、困惑している顔をした。

「ローラ、いいか。 今から伝えたいことがある。 落ち着いて聞いてくれるか?」 遅かれ早かれ今日のことはローラに知られるから、 今大事なのは彼女を落ち着かせることだ。

「ローラ、ビデオを見せるぞ。 冷静に見てね?」 マンションに入ってから、ゾーイは真面目にそれを何度も繰り返した。

「ゾーイ、なんのビデオなの?そんな真剣に」 ゾーイは気楽な性格だった。 こんな様子の彼をローラは見たことがなかった。

まさか、あの男が、昨夜起こったことをすべて録画して、ネットに投稿したの?! 何なのよ一体! もしそうなったら、ワタシ、どうしたらいいの?

「ねえ、聞いて、昨夜のことはね、私だって何も知らないの… ていうか、どうして私がそんな目に合わなきゃ...」 ローラは泣き出しそうな表情でゾーイを見つめた。 今ゾーイと話している間に、あれが既に街中で話題になっただろう。 想像するだけで怖かった。 そんなの、恥ずかしすぎるわ!

ゾーイはローラが何を言っているのかわからないが、彼女をまっすぐコンピューターまで連れて行き、自分が何度も見たビデオを再生した。 ビデオには、マイクを持った大勢の記者が映っている。

ホテルではない場所がビデオに映ったので、ローラはホッと安堵のため息をついた。 ホテルじゃない... 思い過ごしだったか。 いや。 待て! ここはパパの会社だわ。 昨夜の出来事のせいで、記者がパパに突撃してるの?

「こんにちは、ネチズンのみなさん。 D City Newsのシェリー・リウです。 厲氏集団の社長であるカール・リーが贈収賄、公的資金の横領、株式の売却、マネーロンダリングを行っているとの内部情報を入手しました。 本件について今からお伝えします」

パパ? 贈収賄? 公的資金の横領? 株式の売却? 資金洗浄? 「そんなこと… 絶対にありえない! パパは正直で、実直で、真面目な人よ。 ありえないわ!」 とローラは言った。

「落ち着いて。 とにかく、最後まで見て」と ゾーイがなだめた。 しかし、次の報道はさらにひどかった。

「皆さん! 現在理事会が行われています。 会議室から時々激しい怒声が聞こえます。 どうやらうまく行ってないようですね」

そして会議室の扉が内側から開く場面が映し出された。そこからローラにも見覚えのある上級管理職の人たちや、見たこともない主要株主が出てきた。そのあとに、厲氏集団のゼネラルマネージャー、マイク・チーと副社長のヤコブ・チーが続いた。 カール・リーはその中にいない。

「リー社長の辞任は残念です。 今から私が、彼の仕事を引き継ぎます。 よろしくお願いします。 ありがとうございました」 厲氏集団のヤコブ・チー副社長が、メディアにそう伝えた。

その後、メディアはいくつかの質問を投げかけた。 でも、ビデオの音はもうローラの耳に入らない。椅子に座ったままで、頭が真っ白になった。 何十年もの間、父は会社に全力を注いできたのだ。 なのに今、会社はチーおじさんのものになる? 叔父のチーは父の親友で、幼なじみのマイクは彼氏なのに、 ニュースを聞いたローラは、彼らのことをひどいと思わずにいられなかった。

「会社まで送って」 しばらくして、やっと落ち着いたローラはそう頼んだ。

ゾーイは何も言わずコンピューターの電源を切り、バイクのキーを持ち地下駐車場に行き、ローラを厲氏集団まで送り届けた。

真夏の暑い時期だった。 車が会社に着いたとき、ローラは皮膚が焼け焦げたんじゃないかとさえ思った。 夏の暑さで彼女もイライラしてしまった。

厲氏集団の玄関ホールに入ると、ようやく涼しい空気に包み込まれた。

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