CEOの彼の罠に落ちた
作者繁昌 空
ジャンル御曹司
CEOの彼の罠に落ちた
「行こう。 ショッピングモールの入り口ではチラシを配ってはいけないのよ。 あっちに行こう。 人通りが多いわ」 ウェンディは高校時代にチラシ配りをしたことがあった。 だからウエンディにとってチラシ配りの仕事はそう大変な仕事ではなかった。
ローラは、ウェンディを見失わないように追いながら、「あの子たち、どうしちゃったの?」との周囲の声を耳にしていた。
「頭がどうかしてしまった訳ではなさそうよ。 ほら、彼女たち、チラシを配ってるのが見えない? クレイジーなのは彼女たちの上司よ!」
「そうだな。 酷い使われたようだな」
……
ローラは、上司であるイレーヌのバカげた指示を、赤の他人までが悪く言っていることでヤル気がでた。
ウェンディに続いて、ローラもチラシを配り始めた。 「どうぞ、このチラシをご覧ください」
中年の女性は手を振り、黙って「いらない」と態度で示して通り過ぎた。
差し出したチラシをことごとく拒まれているうちに、ローラのテンションが急に下がった。 「いったいどういうことかしら。
みんなチラシなんていらないって。 こんなゴミを配るようなこと、お金と労力の無駄じゃない!」