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第12章初めて、シャイニングカンパニーへ
文字数:3486    |    更新日時: 22/02/2021

ニュー・ストリート市場は人でごった返していた。 この市場の路地は車が通れるほど広くなかったので、 チャールズは市場の入り口に車を止め、オータムと一緒に歩いていった。

彼はわざとオータムの一歩後ろを歩き、彼女の腰から少し離して手を回し、群衆から彼女を守ろうとしていた。

「夕食は何がいい?」 オータムが突然チャールズの方へ振り返った。 彼女を守ろうとしている彼の優しい気持ちが彼女を深く感動させた。

こんなに優しくされるのは人生で初めてだったのだ。

「好きなものを買っていいよ」 チャールズはあまり食べ物にこだわりが無く、 ただ、オータムと一緒に居たかっただけだった。

「だったら… ユリの球根とセロリの炒め物と醤油風味の魚、それとウリとスペアリブのスープなんかどう?」 オータムがさりげなく聞いた。 チャールズがすぐ頷いたので、オータムは野菜売り場に向かった。 「おばあさん、このセロリはいくら?」

「あら、元気にしてた?」 老女が微笑んだ。 彼女はチャールズにも気づき、「これは… 彼氏なの?」と聞いた。

「彼女の夫です」 と、チャールズが笑顔で答え、オフィスで取締役として威張っているような素振りはしなかった。

オータムは赤面した。 彼女は野菜を手に取り、急いで立ち去ろうとしていた。 彼らが去ろうとした時、その老女は気前よくオータムにネギを送って、そして言った。「あんた、人を見る目があるわ。 あんたのおばあさんも安心してもいいね」

市場のほとんどの人は、彼女は祖母に善く仕える孝行な子だと知っていた。 彼女が思いやりのある夫を見つけたことに対して、皆嬉しがった。

祖母のことを思うと、オータムは感情が湧き出てきて息を詰まらせた。 彼女は急いで他の買い物をし、チャールズと一緒に帰宅した。 家に着くと、彼女は髪を綺麗なポニーテールにまとめ、料理をし始めた。

スペアリブを熱湯できれい洗い、鍋に入れたあと、 残りの食材の調理を始めた。 まもなく、3品の美味しそうな料理が出された。

オータムはエプロンを脱ぎ、チャールズに来るように呼びかけた。 「夕食、出来上がったわ」

ソファに座ったチャールズはそれを聞いて、新聞を置いた。 彼は新聞など読んでいるふりをして、 実際オータムを観察した。 彼はもっと彼女のことを知りたくなった。

オータムは茶碗にご飯を付けてチャールズに渡した。 彼に見つめられているとわかり、聞かずにいられなくなった。「どうしたの? 顔が汚れているの?」

そう言いながら手で顔を拭いた。

チャールズは首を振って言った。 「いや、別に。 さぁ、食べよう」

オータムはあまり押し付ける事はしなかった。 彼女は静かに夕食を終え、テーブルを片付けた。 そして、2階に上がり企画を見直し始めた。

チャールズは、彼女が何度も企画を変更しなおさないといけないのは自分のせいだとわかっていたが、 自分と一緒に居た時間は短すぎたので、彼女に不満を抱いた。 このままだと、彼らの関係は「ただのルームメイト」で終わってしまうだろう。

チャールズは夕食後も彼らの関係について考え続けたが、 考えれば考えるほど、不満が増していった。 それで、助言を得るため、祖父に電話をかけた。

祖父は、新婚夫婦を家に二人きりにするため、 孫娘を訪ねアメリカに行ったのだ。 チャールズが電話をかけた時、彼は釣りに行くところだった。

「チャールズ、元気かい? イボンヌと仲良くしているか?」 祖父の陽気な声から、チャールズは彼が快適に過ごしていることを感じた。

「お祖父様、いつ帰って来るんですか?」 チャールズは祖父に尋ねた。

「まだまだ早い」 祖父は続けた、「どうしたんだ? 俺は釣りで忙しいんだよ」

チャールズは暫くためらって、そして、「大したことではありません。 ただ、 イボンヌが…」と言った

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1 第1章わかったわ!彼と結婚するわ!2 第2章契約書3 第3章仕事に戻る4 第4章レイチェル・バイの計画5 第5章同居6 第6章プレゼンテーション7 第7章家8 第8章一体どうしたのだ9 第9章私の事、愛してる? 10 第10章トップ記事11 第11章私をかばった夫、チャールズ12 第12章初めて、シャイニングカンパニーへ13 第13章忙しい?なにに? 14 第14章レイチェルかオータムか15 第15章彼女を首にして!16 第16章レイチェルからの警告17 第17章ポーラのアフタヌーンティー18 第18章ディナー19 第19章新企画部長は誰に20 第20章酔っ払い21 第21章大家族でのディナー22 第22章彼女の話を遮る23 第23章変わったいとこ24 第24章チャールズの義理宅への訪問25 第25章イボンヌがチャールズを取り戻す26 第26章ボーイフレンドか男娼か27 第27章ルー夫人28 第28章別れ29 第29章ゲイリーの怒り30 第30章一千万円を貸してください31 第31章一緒に寝る32 第32章デートの日33 第33章邪魔者34 第34章甘い汁を吸ったのに文句言う35 第35章チャンスをくれ36 第36章クリスとチャールズの対決37 第37章オフィスでの冷やかし38 第38章ポーラの権力闘争39 第39章退職40 第40章ポーラの大失敗41 第41章できることは何もない42 第42章ルー夫人に教える43 第43章どうにもならない奴44 第44章真実45 第45章お前を養う46 第46章オフィスに戻る47 第47章彼女は戻ってこないだろう48 第48章はめられる49 第49章店での口論50 第50章真実は勝つ51 第51章偶然52 第52章夫の嫉妬53 第53章ロマンチックなキス54 第54章リトル・イェ55 第55章欲しいものを追え56 第56章新人研修57 第57章感謝58 第58章一緒に来て59 第59章秘書部内の嵐60 第60章リンダの非常な親切61 第61章チャールズの意図62 第62章彼女は行けない63 第63章ソンさん64 第64章我慢65 第65章明らかな嘘66 第66章サムがオータムを守る67 第67章まだ終わっていない68 第68章公の場での発表69 第69章チャールズの負傷70 第70章チャールズ、病院で71 第71章交渉72 第72章サムとの個人面談73 第73章クリスの失恋74 第74章レイチェルの帰国75 第75章チャールズの退院76 第76章ゲイリーからのアドバイス77 第77章浴室で78 第78章彼女の魔法79 第79章敵対的なナンシー80 第80章ナンシーの謝罪81 第81章辞任82 第82章秘書採用中に知人が83 第83章チャールズとのディナー84 第84章イボンヌの意図85 第85章イボンヌの提案86 第86章オータムの退職87 第87章再びグー家へ88 第88章祖母のビデオ89 第89章サム、真実を知る90 第90章彼の後悔91 第91章グー家での夕食92 第92章言い合い93 第93章オータムを送りに空港へ94 第94章シンディ95 第95章シンディの両親96 第96章アレルギー97 第97章病院で98 第98章子守り99 第99章ぎこちない夕食100 第100章ホテルの火災