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第14章頭がいいのは僕のせい?
文字数:2652    |    更新日時:08/04/2021

「大学の旧友、それだけか?」

ファングループの後継者が少し前にマンハッタンから帰国したことをカーは確かに聞いていた。

しかし、ニコールと何か関係があるとは気がつかなかったのだ。

ジャレドは当初から、上司にこのことを報告するのを避けていた。 これまで、二人に関する情報は少ないからだ。知る限りでは、バーロン・ファンはニンさんに対してとても親しくしていたのだ。

一方で、ジェレドは自分の上司がこの女性に対する興味を持ち始めていることに気づいていた。

だから、その二人の関係を彼に伝えるわけにはいかない。 さもなければ、いつか彼にばれたら、自分は苦しむことになってしまうだろう。

カーはペンを持っていた手を止めて、ジャレドを見ながら考えにふけった。

ようやく口を開いてカーはいった。「明朝の海外との会議は中止してくれ。 出かける用事ができた」

カーは、子どもの日に出かけることは一切なかった。

「承知しました。 グー様。 迎えに行った方がよろしいですか?」 ジャレドは控えめに提案した。

上司の表情に 気を配りながらジャレドは見ていたが、 彼がこれ以上追求していないようだったので、ほっと安堵した。

その一方、デビッドは困惑していた。カーは一度も予定を変更したことがないからだ。

「いや、もう帰りなさい」と、カーは指示した。

ジャレドに部屋を去るように手で合図した。

ジャレドが部屋を出たのを確認すると、ニコールの個人情報をパソコンの画面に出した。 彼女の身分証明書の写真は、前向きで自信に満ちているように見える。

彼女は母親だと知っても信じる人は少ないだろう。 その瞬間、カーはニコールを母親にした相手の男に対して、少し嫉妬心を抱いていた。

翌朝、ニコールは太陽がサンサンと輝く中で目を覚ました。 彼女は伸びをして、大きなあくびと共に起き上がった。

なんと素晴らしい一日なのだろうと、満面の笑みを浮かべていた彼女は 居間に行くと、ジェイがソファーで何やら真剣に読書をしていた。

「おはよう、ダーリン」

昨夜は帰宅後、彼女は疲れてすぐに寝てしまった。 週末だから、もう少し寝たらと思ったので、今となって起きたのだ。

ニコールの声を聞いて、ジェイは腕時計に目を落とすと、すぐに読書に戻った。

「そこのテーブルの上にミルクを入れておいたよ」

一言いっただけだった。

ジェイはあまりにも静かなので、ニコールはそこにジェイがいるのに気づかないことが多かった。

ニコールはダイニングルームへ行く途中、居間にいるジェイのそばを通りすがりに彼の髪の毛をいじったので、ジェイに睨まれた。

そのうち、母親が朝食を終えた頃を見計らって、ジェイは手に持っていた本を置いてダイニングテーブルの方へと向かった。 そして母親の向かいに座った。

背は低かったが、まっすぐ背筋を伸ばしていたせいで、実際よりも背が高く見えた。 ニコールは残りの牛乳を飲み干したのを見ていた。

「そろそろ、顔の怪我がどうしてそうなったか、説明できる?」

ジェイは真剣に質問した。

それほど真剣になるのはニコールが怪我をしたからに違いなかった。

「大したことではないのよ。 事故だったの。 でも心配しなくてもいいわ。 やり返したから」と、ニコールは悪そうに答えた。

ジェイはもうそのことについては質問しないものだと思っていたニコールだったが、自分の生んだ息子は思っていたよりも賢い子だったのだ。

彼は覚えておきたいことを決して忘れたりはしない。 たとえば、ニコールは夫がいないわけだから、僕が守らなくちゃいけないのだと、そう思っていたのだった。

「え? その男をひっぱたいたの?」

ジェイはそんな危険な真似をニコールがしたのかと驚いたのだ。

「いいえ、そうではないわ。 でもその男はひどい目に合わされたのよ。 骨折させられたんだから」

本当のことを言うと、ジェイにこの話をするべきかニコールは躊躇していた。 何を言っても、ジェイはまだ子どもだったので、彼を怖がらせたくないのだ。

ところが、ジェイは彼女の話を聞いて目を輝かせて喜んでいた。

嫌な予感がニコールの頭をよぎった。

「誰がそんなことを? そんなすごい男性が守ってくれていたなんて、すごいや」とジェイは尊敬のまなざしでいった。

バーロンは優しすぎて、あまりにも優雅すぎるから、母親には相応しくないとジェイはいつも思っていたのだった。

だけど今明らかになったのは、母親にはバーロンに出来ないことをやってくれる男の人を知っていた。

「そういう人じゃないのよ。 私の上司。 でも、ジェイ。絶対に他の子に対して手を上げたり、しては駄目だからね。 お友だちには、愛情と、お互いを尊重し合う気持ちが大切よ」

ニコールは空になったコップを持ってキッチンへと戻り、息子の質問を避けようと他の話題をもちかけた。

カーがジェイの父親だと気づいてからは、ニコールは何かを伝える時に正直になるのは難しいと感じていた。 ジェイとカーが決して互いに顔を合わせないようにするつもりだったのだが、何故か二人にそれぞれ話をしてしまっていた。

ジェイは残念そうな顔をしたが、母親にも色々あるんだろうとそれ以上質問を控えた。

どちらにしても、ニコールの上司には良い印象を持てたわけだった。

「隠し事はしなくていいよ。 もう質問はしない。 それに、下へ行って遊んでくる。 煮魚を作っておいてね!」

ジェイが座っていた椅子からジャンプし、ドアへと向かって行った。

「ほかの子どもたちと遊ぶのは楽しい?」

ニコールはキッチンから頭だけ出し、不思議そうな顔でジェイに聞いた。

幼い子どもたちと遊んでもつまらないと、ジェイは以前からニコールに話していたからだった。

「僕があの子たちと遊ぶと嬉しいんでしょ?」

やれやれ、といった風にジェイは答えた。

「ええ、もちろん! そうしてると、普通の子どものように見えるからね」

ニコールは助かるわといった様子で頷くと、昼食を作りにキッチンに戻った。

「頭がいいのは僕のせい?」

ジェイは文句をいいながら下の階へと降りて行った。

他の子どもたちよりも頭は良かったし、それに大人びていた。 それが原因でほかの子どもたちと馴染めないのをニコールがとても心配していたのだ。

どちらにしても、ジェイは真剣に受け止めていなかった。

一方、遊園地の監視室では、カーが顔をしかめたままで突っ立っていた。

画面で大勢の人を確認したが、ニコールと息子がどこにも見当たらなかった。

該当する者には全員にここのチケットは渡してあったはずだ。

「グー様、 監視ビデオを入り口に備え付けており、それを確認したところ、ディレクター・ニンの姿は見つかりません。 まだ到着していないということでしょうか?」

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