替え玉の花嫁
作者羽間 里絵子
ジャンル恋愛
替え玉の花嫁
「ほ… 本当?」 クリスの言葉を聞き、オータムは恥ずかしくなり顔を赤らめた。 そして、目の前に立っているチャールズを文句を言いたそうな目でちらりと見た。
そのことはまるでクリスの言ったことを認めるようだった。
オータムの反応を見て、クリスは笑い声を上げ、「イボンヌ、あなた、とても可愛いわ」と、言った。
オータムの頬がすぐピンク色に染まった。 そして、言い訳をし部屋から出て行った。 オータムが去った後、クリスは真剣な顔をし チャールズを見て聞いた。「お兄さん、正直に答えて。イボンヌの事を愛しているの?」
「それはお前が心配することではないよ」 と、チャールズは眉をひそめた。
「お兄さんの事だから、心配しないわけがない」と、 クリスが真剣に言った。 彼らの両親が亡くなってから、チャールズが家族を支えてきて、 いつもクリスの力になっていた。
クリスはチャールズが彼女の為に決めたことには、文句も言わず受け入れてきた。 しかし今、彼女はオータムの為に彼と真剣に話さなければならなかった。 オータムは自分の兄にとって一番良いかつふさわしい女性だと知っていたからだ。