替え玉の花嫁
作者羽間 里絵子
ジャンル恋愛
替え玉の花嫁
オータムの話を聞き、ポーラは彼女を叩きのめしたい気持ちを抑えていた。 オータムの言葉が彼女を怒らせたとしても、彼女は我慢するしかなかった。
「あなたに助けてもらう代償に、私に何をして欲しいの?」 ポーラは聞いた。
しかし、オータムは何も言わなかった。 正直なところ、彼女はクラウドに何が起ころうが無視する事にしていたのだ。 彼女がどんなに優れた仕事をしても、結局の所、なにも得られなかったからだ。 なぜわざわざこの会社に戻らなければならないのか?
「イェ、過去に私がしてきた事については申し訳なく思っているわ。 本当に心からお詫びするわ。 今、私は、この問題をどう解決していいのか分からないの。 お願い。助けて」 ポーラは滅多に礼儀正しくする人ではなかった。 会計士のリーもオータムを説得しようとしていた。 「イェさん、あなたは誠実な女性です。お願いですからポーラの謝罪を受け入れてください。 あなた達は同僚です。 今まで一緒に戦ってきた仲間です。 それに、チョウさんは、 いつもあなたによくしてきました。 手を貸すべきではないでしょうか」
ポーラは以前、会計士リーの手助けをした事があり、彼がポーラの肩を持つのは当然の事だった。
しかし、オータムはこの事にうんざりしていた。