替え玉の花嫁
作者羽間 里絵子
ジャンル恋愛
替え玉の花嫁
「こんばんは」 チャールズはイボンヌに、「今夜はお綺麗ですね」とうわべだけの挨拶をした。
それはチャールズにとって単なる社交辞令であったが、イボンヌは全くの思い違いをしていた。 「チャールズが私の事を気に入っているってわかっていたわ。 どうせ私は美人だから」 と彼女は心の中で思っていた。
顔を赤らめ、イボンヌは頷いて微笑んだ。 オータムは本当に目障りだわ! と彼女は苛ついたが、顔に出さずにいたが、考え込んだ後オータムの腕を引っ張りこう言った。 「チャールズ、席に着いてメニューを見てて。 私たち、化粧室に行きたいの」
そう言い終え、イボンヌは無理やりオータムを化粧室に引っ張って行った。 彼らがチャールズの視界に入らない場所まで来ると、イボンヌの口調がガラッと変わり、こう言った。 「チャールズには一人で来るようにと、あなたに伝えたわよね! お祖母さんに会いたくないみたいね?」
「勘違いしないで...」 オータムは困った顔をし、言った。「私は来たくなかったのよ。 でも、チャールズが、私が一緒に来ないとここには来ないとはっきり言ったのよ。 だから、しょうがなく一緒に来たの」